最近の是正勧告急増の背景
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年間の是正勧告件数は8万件超え!
労働基準監督署が企業に対して是正勧告を実施した件数は、平成16年の1年間で何と82,430件に上ります。
これは前年の平成15年と比較して約3,000件の増加です。
更に、この82,430件のうち、事業主が送検されたものは1,339件。
最近の労働基準監督署の取締りの徹底ぶりには目を見張るものがあります。
是正勧告を受けた事業主にとって、最も脅威となるのが
「過去2年間の不払残業代一括支払命令」
ですが、この残業代不払の是正勧告件数は、平成17年度の1年間を見ますと、以下の通りになっています。
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労働基準監督署の定期監督による是正勧告件数⇒2,518件
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労働者の労働基準監督署への申告による是正勧告件数⇒28,906件
労働者の申告を発端に残業代不払が発覚し、労働基準監督署から支払命令を受けた事業所が「圧倒的に多い」ことが分かります。
(尚、このうち、100万円以上の不払残業代支払命令を受けた企業数は1,524社で、その不払残業代総額は、何と232億9500万円にも上ります。)
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最近の是正勧告急増の背景(要因)
最近急増する労働基準監督署の取締り強化の背景(要因)には大きく分けて以下に述べる2つの要因があるようです。
1.労働者の健康保持の為の長時間労働・サービス残業取締り強化の要請
あの有名な
電通事件
(うつ病による自殺と長時間労働の因果関係が認められ、会社が遺族に1億6,800万円を支払って和解した事件)を契機に、「企業の社員に対する健康配慮義務違反」を理由とする損害賠償支払を命じる判決が続発し、それらのほとんどが
違法な長時間労働や残業代不払に起因
している為、労働法令遵守を掌る労働局及び労働基準監督署の存在意義が問われ出した。
2.労働者側の権利意識の高まりによる申告や内部告発の増加
過去の分に遡及した多額の未払残業代一括支払事例などが新聞紙上で数多く報道されている影響もあり、会社を辞めた社員が過去の残業代未払などを労働基準監督署に申告するケース、又は現社員が労働基準監督署に内部告発するケースが実際に増加している。
特に上記の2について、あなたの会社は大丈夫でしょうか?
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最近の労働行政の取り組み
先述した電通事件の第一審判決が出た平成8年3月以降、以下に述べるように労働行政の動きが急に活発化しました。
平成8年10月
「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」を策定
平成11年9月
「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針について」を策定
平成13年4月
「労働時間の適正な把握の為に使用者が講ずべき措置に関する基準」を策定
平成13年12月
「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」を策定
平成14年2月
「過重労働による健康障害防止の為の総合対策」を策定
平成15年5月
「賃金不払い残業総合対策要領」、「サービス残業解消対策指針」を策定
平成18年3月
「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」を策定
上記の労働行政の動きを見ますと、最近の労働基準監督署の取締り強化、及び是正勧告急増の背景が見えてきませんか?
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事業所調査・臨検を受ける時の心構え
最近の労働行政の動きからお分かりのように、
労働時間管理・割増賃金支払・健康診断実施などに対する監督強化は、企業の社員に対する健康(安全)配慮義務違反事件多発の流れの中から生じた“取締り強化に対する社会的要請”に基づいている
、ということをよく理解する必要があります。
ですので、今まさに労働基準監督署の事業所調査や臨検を受けようとしている場合は、表面的な労働法令遵守でお茶を濁そうとするのではなく、
社員の健康障害防止という視点を持った対応姿勢で調査や臨検に臨む
、ということが最も重要です。
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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所