障害厚生年金の受給額
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障害厚生年金の受給額
障害年金に限らず、公的年金の年金額は、物価変動などに応じて毎年改定されます。
本サイトに掲載している年金額は、全て平成18年度の額です。
1.障害厚生年金の額
障害厚生年金は報酬比例年金なので、次に掲げる2つの計算式AとBで得られた額の合算額により算定されます。
A.
平成15年3月迄の厚生年金加入期間に対する年金額(年額)
=平均標準報酬月額 × 給付乗率 × 厚生年金加入月数
※給付乗率は、過去の報酬額再評価により、7.5/1000又は7.125/1000です。
B.
平成15年4月以降の厚生年金加入期間に対する年金額(年額)
=平均標準報酬額(賞与を含む) × 給付乗率 × 厚生年金加入月数
※給付乗率は、過去の報酬再評価により、5.769/1000又は5.481/1000です。
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平成15年4月から総報酬制が導入され、賞与に対しても、毎月の報酬に対する年金保険料と同率の年金保険料を納付することになった為、「平均標準報酬月額」が「平均標準報酬額」に改められました。
以下に、障害厚生年金の額について、重要なポイントを列挙します。
(1)25年加入の最低保障が有る
障害厚生年金の額の計算における厚生年金加入月数には25年という最低保障がありますので、たった1ヶ月しか厚生年金に加入していなくても、厚生年金に300ヶ月(25年)間加入していたとみなして年金額が計算されます。
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但し、その厚生年金加入期間中に障害の原因となった傷病の初診日(○年○月○日)があることを証明出来ないと、例え数十年間にわたり厚生年金に加入している人でも障害厚生年金はもらえません。
(2)年金額に反映される保険料(報酬額)は最大で初診日から1年6ヶ月経過した月迄
障害認定日の属する月の翌月以降の厚生年金加入期間は、障害厚生年金の額に反映されません。
よって、障害認定日の属する月の翌月以降、長期間にわたり高額な厚生年金保険料を納付している場合でも、先述した障害厚生年金の額の計算式における平均標準報酬額や厚生年金加入月数は、「障害認定日の属する月迄の期間」を基に計算されます。
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事後重症請求の場合における上記の問題点を解消する目的で、平成18年4月から、65歳以上の障害等級1〜2級該当者は、障害基礎年金と老齢厚生年金が併給出来るようになりました。
(3)3級には最低保障額の適用有り
該当する障害等級に関わらず同じ計算式で算定されます。
但し、1級該当者は上記の計算式で得られた額を1.25倍した額となり、3級該当者には最低保障額(594,200円)の適用があります。
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最低保障額の適用を受ける3級該当者の障害の程度が悪化して2級該当者となった場合、2級該当者には最低保障額が適用されませんので、もらえる障害厚生年金の額が逆に減ってしまうことになります。
但し、実際は、2級該当者は(原則として)障害基礎年金を併給出来ますので、障害年金全体の額が減ることはありません。
(4)昔の給与は現在価値に置き換えて算定
毎月の報酬(給与)が20万円だった場合、数十年前の20万円と現在の20万円では当然貨幣価値が異なります。
そこで、年金額を計算する場合は、昔の報酬(給与)の額を現在価値に置き換えて平均標準報酬月額が算定されます。
これを「報酬再評価」といいます。
2.配偶者加給年金額
「障害厚生年金の受給権を取得した時」に、生計同一で65歳未満の配偶者がいる場合は、障害厚生年金に「配偶者加給年金額」が加算されます。
加算額は、一律に年額227,900円です。
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配偶者加給年金額の注意点
1.受給権取得日時点の配偶者が対象
障害厚生年金の受給権取得日に婚姻している配偶者に限り加算対象となります。よって、遡って障害認定日請求をする場合、障害厚生年金の請求日時点で婚姻していても、過去の障害認定日時点で未婚若しくは婚約状態だった場合は加算対象にはなりません。
2.内縁配偶者の取扱い
加算対象となる配偶者は、原則法律上の配偶者であることが条件となりますが、内縁配偶者であっても、法律上の配偶者がいるが故に内縁配偶者となってしまう場合は、その法律上の配偶者との夫婦関係が、実態を失ったものであることを疎明すれば、
加算対象配偶者
として認められる場合があります。
※
実際に「配偶者加給年金額」がもらえるのは障害厚生年金の受給者ですが、内縁配偶者が加算対象配偶者として認められることは、その内縁配偶者自身にとっては大きな意味を持ちます。
なぜなら、この「配偶者加給年金額」は、加算対象配偶者が65歳になると障害厚生年金への加算が停止され、その加算対象配偶者の老齢基礎年金の方にそのまま
「振替加算」
されるからです。
(この場合、法律上の配偶者の老齢基礎年金への振替加算はありません。)
よって、例えばこの内縁配偶者が80歳迄生きるとしますと、約343万円の「振替加算」を受け取ることが出来るのです。
3.支給停止に注意
「配偶者加給年金額」は、次に掲げる期間のいずれかに該当する場合は支給停止となります。
A.
障害厚生年金受給者の障害等級が
3級以下
に該当している期間
B.
加算対象配偶者が障害年金を
実際に受給
している期間
C.
加算対象配偶者の厚生年金(又は共済年金)の加入期間が
20年以上
となり、その加算対象配偶者が老齢厚生年金(又は退職共済年金)を
実際に受給
している期間
※
支給停止とは?
上記A〜Cのいずれかに該当した場合でも、後に不該当になれば加算が開始(支給停止解除)される、ということです。
例えば、上記Cに該当して「配偶者加給年金額」が支給停止された場合でも、老齢厚生年金を受給する加算対象配偶者が、会社を退職してハローワークから失業手当(基本手当)を受給した場合、その加算対象配偶者に支給されていた老齢厚生年金は全額支給停止になりますので、その支給停止期間中は、障害厚生年金に「配偶者加給年金額」が加算されます。
※
もう一つ、重要な注意点があります。
例えば、厚生年金に20年以上加入した加算対象配偶者が、60歳になった時に老齢厚生年金がもらえるのにその請求手続きをせず、62歳になった時に初めて老齢厚生年金の請求をした場合、その加算対象配偶者は、60歳以降(過去2年分)の老齢厚生年金を、遡及して一括受給出来ますが、一方で、障害厚生年金受給者は、その加算対象配偶者が60歳になった時に遡って、今迄受給した「配偶者加給年金額」の過去2年分を
政府に返還
しなければなりません。
なぜなら、加算対象配偶者が老齢年金(又は障害年金)の
受給権を持っているだけなら上記C(又はB)該当とはならず
、年金の受給も支給停止も、同様に最大で過去5年前迄遡及適用されるからです。
4.加算対象配偶者の生計維持認定の注意点
加算対象配偶者の生計維持認定は、その配偶者が障害年金請求者と
生計同一
で、
年収850万円未満
であれば、一律に「生計維持されている」とみなされます。
更に、配偶者の現在の年収が850万円以上の場合でも、障害厚生年金の受給権取得日から
5年以内
に年収が850万円未満になることを疎明すれば、
最初から(実際に年収850万円未満になる時を待つことなく)
「配偶者加給年金額」が加算されます。
※
既に公的年金をもらっている方なら皆ご存知だと思いますが、政府が年金受給者の配偶者の所得を確認するのは、最初の年金請求時の1回だけです。
よって、
最初に「5年以内に年収850万円未満になる」という届出をしていないと、後になって「会社を退職したので年収が850万円未満になりました」と届出しても配偶者加給年金額は加算されない
ので注意して下さい。
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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所