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 障害年金に関する行政不服審査請求制度

障害年金の審査請求制度の概要
障害年金の支給/不支給の決定に対する行政処分に不服が有る場合、直ちにその行政処分の取消訴訟を裁判所に提起することは出来ず、まず行政側(厚生労働省・社会保険庁)に対して、行政不服審査の請求(行政不服申立て)をしなければなりません。
この行政不服審査の請求(行政不服申立て)制度は、社会保険審査官宛の審査請求、社会保険審査会宛の再審査請求の二審制をとっており、法律上では書面(専用の請求書有り)でも口頭でも出来ることになっています。
また、裁判所への訴訟提起と異なり、行政不服審査の請求(行政不服申立て)は、その手続きに対して費用がかかりません。



社会保険審査官宛の審査請求
障害年金裁定請求に対する行政側の決定に不服が有る場合、その通知書を受け取った日から60日以内に、各都道府県に設置された地方社会保険事務局の社会保険審査官宛に審査請求をすることが出来ます。
社会保険審査官と聞いて、司法制度における裁判官を連想してはいけません。
社会保険審査官は全て厚生労働省・社会保険庁の職員です。
よって、「身内がした処分を身内が裁く」という構造になっている為、裁定請求時の内容を補足説明したような審査請求をしても、最初の裁定請求時と同じ結果になってしまうケースがほとんどです。
審査請求をする時は、最初の裁定請求時に提示していなかった新たな証拠を提示するか、他の類似裁決事例を調査して請求内容の理論構築をする必要があります。
審査請求は、口頭で氏名・住所・請求内容などを伝えるだけでも成立しますが、それでは審査請求を行なう意味がありませんので、やはりキッチリと書面に請求内容とその証拠(理由)を記載する必要があります。
ただ、事前に口頭で審査請求の意思表示をしている場合は、正規の審査請求書の提出が法定期限(60日以内)を過ぎている場合でも受理されます。
審査は、原則として書類審査だけで行なわれますが、申立てをすれば、口頭で意見陳述(補足説明)をすることが出来ます。
また、社会保険労務士などの代理人を立てて審査請求手続きを行なうことも認められています。
社会保険審査官は独任制の為、1人の審査官が請求事案を裁決し、審査請求日から60日以内には裁決書謄本が送付されます。
(ただ、残念ながら、現実には全ての事案が法律の規定通り60日以内に裁決されている訳ではありません。)



社会保険審査会宛の再審査請求
社会保険審査官による裁決結果に不服がある場合、その裁決書謄本を受け取った日から60日以内に、東京都の厚生労働省内に設置された社会保険審査会宛に再審査請求をすることが出来ます。
また、社会保険審査官が審査請求日から60日以内に裁決しない場合も、同様にその裁決結果を待たずに再審査請求をすることが出来ます。
尚、社会保険審査官による裁決結果に不服があって再審査請求をする場合でも、再審査請求は、あくまでも原処分(=最初の裁定請求に対する処分)に対する不服を申し立てるものであり、審査請求(第1審)の裁決結果に対する不服を申し立てるものではない、ということに注意して下さい。
社会保険審査会は、委員長1人と委員5人で構成される合議制機関です。
この委員長や委員は、所謂「有識者」と呼ばれる人の中から、厚生労働大臣が衆参両議院の同意を得て任命することになっていますので、公平な判断(裁決結果)が期待出来ますが、裁決結果が出る迄非常に時間がかかる(場合によっては1〜2年)というのが最大の問題点です。
また、地方在住者の場合、口頭で意見陳述をする為にわざわざ東京迄出向かなければならない(当然、交通費などは自己負担)といった難点もあります。
法律上、再審査請求をして3ヶ月経ってもその裁決が無い時は、裁判所に対して処分取消訴訟を提起出来ることになっていますが、処分取消訴訟は民事訴訟とは違いますので、行政側の原処分(=最初の裁定請求に対する処分)の明らかな“違法性”を問える場合はともかく、原処分の“不当性”を問えるにとどまる場合は、処分取消訴訟を提起しても裁判所に却下されてしまいます。
また、社会保険給付は憲法第25条(生存権規定)をその根拠としていますが、この憲法第25条の規定は、直接国民に具体的権利を賦与するものではなく、どのような人にどのような社会保険給付を行なうか(又は行なわないか)ということは、原則として行政側(厚生労働省・社会保険庁)の裁量に委ねられている、ということを認識する必要があります。
よって、この再審査請求は、裁決結果が出る迄非常に時間がかかりますが、障害年金請求においては、事実上最終決戦の場となるのです。





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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所