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     障害年金の障害等級の概要

公的年金制度における障害年金の障害等級は、1〜3級の3段階です。
更に、この3段階に加えて、一時金給付である障害手当金(又は障害一時金)の対象となる準3級があります。

準3級というのは正しい表現ではなく、「3級より軽度の障害状態」という表現が正しいのですが、言い回しが長いので、当サイトでは便宜上「準3級」と表現しています。

労災保険の障害(補償)年金の障害等級は1〜14級の14段階ですが、障害厚生年金・障害基礎年金の障害等級1〜3級とは全く別物です。 大凡の目安は、障害厚生年金・障害基礎年金の障害等級2級が、労災保険の障害(補償)年金の障害等級5〜7級に相当します。



年金法による障害等級の規定
1級〜2級の障害状態は国民年金法施行令に規定され、3級〜準3級の障害状態は厚生年金保険法施行令に規定されています。
このように、障害等級によって、それを規定する法令が異なっている、ということが我が国の障害年金制度の大きな特徴の一つとなっています。
障害等級によって規定される法令が違う為、1級〜2級の障害状態は主に「日常生活能力」の制限度合いで認定されるのに対して、3級〜準3級の障害状態は主に「労働能力」の制限度合いで認定されることになります。

【法令の規定による障害等級表】
1級(国民年金法施行令)
番号 障 害 の 状 態
両眼の視力の和が0.04以下のもの(視力は矯正視力です)
両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
両上肢の機能に著しい障害を有するもの
両上肢のすべての指を欠くもの
両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
両下肢の機能に著しい障害を有するもの
両下肢を足関節以上で欠くもの
体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの
前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする症状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
10 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
11 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの

2級(国民年金法施行令)
番号 障 害 の 状 態
両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの(視力は矯正視力です)
両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
平衡機能に著しい障害を有するもの
そしゃくの機能を欠くもの
音声又は言語機能に著しい障害を有するもの
両上肢のおや指又はひとさし指又は中指を欠くもの
両上肢のおや指又はひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの
一上肢の機能に著しい障害を有するもの
一上肢のすべての指を欠くもの
10 一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
11 両下肢のすべての指を欠くもの
12 一下肢の機能に著しい障害を有するもの
13 一下肢を足関節以上で欠くもの
14 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
15 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
16 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
17 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの

3級(厚生年金保険法施行令)

番号 障 害 の 状 態
両眼の視力が0.1以下に減じたもの(視力は矯正視力です)
両耳の聴力が40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの
そしゃく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの
脊柱の機能に著しい障害を残すもの
一上肢の三大関節のうち、二関節の用を廃したもの
一下肢の三大関節のうち、二関節の用を廃したもの
長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
一上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ一上肢の三指以上を失ったもの
おや指及びひとさし指を併せ一上肢の四指の用を廃したもの
10 一下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
11 両下肢の十趾の用を廃したもの
12 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
13 精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
14 傷病が治らないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものであって、厚生労働大臣が定めるもの

準3級(厚生年金保険法施行令)
番号 障 害 の 状 態
両眼の視力が0.6以下に減じたもの(視力は矯正視力です)
一眼の視力が0.1以下に減じたもの(視力は矯正視力です)
両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
両眼による視野が二分の一以上欠損したもの又は両眼の視野が10度以内のもの
両眼の調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの
一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの
鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
脊柱の機能に障害を残すもの
10 一上肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障害を残すもの
11 一下肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障害を残すもの
12 一下肢を3センチメートル短縮したもの
13 長管状骨に著しい転位変形を残すもの
14 一上肢の二指以上を失ったもの
15 一上肢のひとさし指を失ったもの
16 一上肢の三指以上の用を廃したもの
17 ひとさし指を併せ一上肢の二指の用を廃したもの
18 一上肢のおや指の用を廃したもの
19 一下肢の第一趾又は他の四趾以上を失ったもの
20 一下肢の五趾の用を廃したもの
21 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
22 精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの



各障害等級に対する行政側の解釈
〈1級障害〉
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。
具体的には、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることが出来ず、活動の範囲が、病院ではベッド周辺、家庭では室内に限られるもの。
〈2級障害〉
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。
具体的には、必ずしも他人の介助は必要無いが、日常生活が極めて困難で、活動の範囲が、病院では病棟内、家庭では家屋内に限られるもの。
〈3級障害〉
傷病が治癒したものにあっては、労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。
傷病が治癒しないものにあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの
〈準3級障害〉
傷病の治癒後、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。
(尚、準3級障害該当により、障害手当金を一旦受給してしまうと、その後、障害の程度がどんなに悪化した場合でも、他の新たな傷病を発症していない限り、障害年金を再度請求することは出来なくなります。)

3級障害については、傷病治癒後の障害に「著しい」という文言があるのに対して、傷病治癒前の障害には「著しい」という文言はありません。
これは、準3級障害と同程度の障害状態であっても、その傷病が治癒していなければ3級障害に該当することを意味します。



障害者手帳の障害等級との違い
身体障害者手帳の障害等級は1級〜6級、精神障害者保健福祉手帳の障害等級は1〜3級に分かれています。
この障害者手帳に記載された障害等級と、障害年金請求時に認定された障害等級は必ずしも一致しません。

一般的に、障害年金の障害等級の方が、障害者手帳の障害等級より軽め(辛め)になります。つまり、障害者手帳に記載された障害等級が2級の場合でも、障害年金では3級にも該当しない、ということが起こり得るのです。

障害者手帳の障害等級は、種々の公的サービス供与(支援)の対象者を特定する目的で、補装具などを装着しない状態で障害の程度を評価し、更にその障害の永続性を踏まえて認定されます。
これに対して、障害年金の障害等級は、現況届によって障害状態の定期的チェックを行なっていくことを前提に、補装具などの装着後又は継続療養の効果を加味した上で、その時々の障害の程度を評価して認定される障害等級である為、必然的に障害者手帳の障害等級とはズレが生じることになるのです。





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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所