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     障害年金受給者の方へ
    (増進改定、併合改定、併合認定)

障害年金の現況届
障害年金に限らず、公的年金を受給する人は、毎年、誕生月の末日迄に「現況届」を政府に提出しなければなりません。
この「現況届」の主目的は、ハッキリ言いまして、公的年金受給者の生存確認ですが、障害年金受給者の場合は、更にその障害の種類によって1〜5年毎に、医師が作成した「診断書」を「現況届」に添付する必要があります。
この「診断書」の目的は、傷病による障害状態は時間の経過と共に軽快又は悪化するケースが多々有る為、定期的に障害状態を確認し、必要が有れば該当する障害等級を変更することにあります。
「20歳前障害の障害基礎年金」の受給者と、「障害福祉年金から裁定替えになった障害基礎年金(特例措置による障害基礎年金を含む)」の受給者は、誕生月に関係無く、毎年7月末が「現況届」の提出期限日となります。
これは、これらの障害基礎年金を受給する人は、前年の所得額による年金支給制限の適用を受ける為、「現況届」と共に、前年の所得(年収)証明書類を提出する為です。



障害年金の増進改定請求
障害年金受給者は、障害の程度が悪化した場合は、原則としていつでも増進改定請求をすることが出来ます。
但し、次に掲げる期間は増進改定請求をすることが出来ません。
(1)障害年金の請求日、現況届+診断書の提出日、前回の増進改定又は併合改定の請求日、のいずれかの日から1年以内の期間
(2)障害基礎年金の受給権を持っていない人(=過去に一度も障害等級2級以上に該当したことがない人)については、65歳以降の期間又は老齢基礎年金の繰上げ受給の請求日以降の期間
現実には、増進改定請求が認められて障害等級が上がった、という話はほとんど聞かないので、別の障害が新たに発生して併合改定(又は併合認定)とならない限り、「障害年金受給者の障害等級が上がる」ということは、認定のハードルが非常に高いのかも知れません。



併合改定と併合認定の請求
障害基礎年金の受給権を持っている人(=過去に一度は障害等級2級以上に該当したことがある人)に、新たに別の障害(後発障害)が発生した場合は、その後発障害について障害年金を請求することにより、既存障害の程度と後発障害の程度を併合して障害の程度が認定され、場合によっては障害等級が改定されます。
この時、後発障害が2級以上に該当する場合は「併合認定」が行なわれ、後発障害が3級以下(3級不該当を含む)に該当する場合は「併合改定」が行なわれます。
但し、後発障害の程度が非常に軽く、既存障害と併合しても障害等級を改定するに至らない場合は、併合改定は行なわれません。
障害基礎年金の受給権を持っていない人(=過去に一度も障害等級2級以上に該当したことがない人)は、後発障害の障害年金請求をしても、併合改定又は併合認定は行なわれません。
この場合は、既存障害の程度と後発障害の程度を併合して2級以上に該当すれば「初めて2級障害」の扱いとなり、新たな障害年金の受給権が発生します。


1.併合改定と併合認定の相違点
併合改定となる場合は、従前の障害年金の受給権がそのまま存続し、該当する障害等級の変更に伴い年金額のみ変更されます。
併合認定となる場合は、従前の障害年金の受給権は消滅し、新たに障害年金の受給権が発生します。
よって、後発障害に対する障害年金請求時に、再度「子の加算額」又は「配偶者加給年金額」の受給要件該当可否を確認することになります。


2.併合改定と併合認定に関する重要なポイント
併合改定や併合認定は非常に複雑な制度ですので、重要なポイントのみを以下に列挙します。
(1)後発障害については、既存障害と全く関係無い別の傷病を原因として引き起こされた障害であることが併合改定や併合認定の条件になります。
よって、例えば、頭部外傷を原因とする器質性精神障害を有する人にその頭部外傷を原因とする肢体障害が発生した場合、又は糖尿病の合併症が新たに発生した場合などは、併合改定や併合認定の対象とはなりません。
(これらの場合は、既存障害に対する増進改定請求となります。)
(2)後発障害の原因となった傷病について、初診日要件と保険料納付要件を満たしていないと併合改定や併合認定は行なわれません。
但し、実際は、障害等級2級以上該当者は、市区町村役場へ申請すれば、国民年金保険料の納付義務が免除されますので、年金保険料の納付有無が問題になるケースはほとんど有りません。
(3)65歳以降に後発障害の障害年金請求をする場合は要注意です。
なぜなら、その後発障害が2級以上に該当する場合は併合認定されますが、3級以下だった場合は併合改定されないからです。
(4)後発障害に対する障害年金の請求手続きが遅れた場合、その後発障害が2級以上に該当して併合認定される場合は後発障害の障害認定日に遡って新たな障害等級による障害年金が支給されますが、後発障害が3級以下で併合改定となる場合は後発障害の障害年金請求をした月の翌月分からの年金額改定となります。
通常、後発障害に対する障害年金請求時点では、併合認定になるのか併合改定になるのか分かりませんので、1ヶ月でも早く必要書類を揃えて請求手続きをしておく、ということが重要です。
(5)既存障害が2級以上に該当して障害厚生年金と障害基礎年金の両方の受給権を持っている人に、会社退職(=厚生年金脱退)後に別の傷病が発症し、その傷病による後発障害が2級以上に該当した場合、障害基礎年金は併合認定となり新たな受給権が発生しますが、障害厚生年金の方は、後発障害が障害厚生年金の対象ではありませんので、併合認定は適用されず、新たに受給権が発生した障害基礎年金の障害等級に合わせた併合改定が行なわれます。
よって、この場合は、障害厚生年金の方は従前の受給権が存続することになります。
(6)稀なケースですが、旧年金法が適用される障害年金を受給する人が併合認定の適用を受けた場合、障害等級が上がったのに、もらえる年金額が下がってしまう場合があります。
この場合は、例外的に従前の年金額が保証されます。





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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所