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        役員変更の手続き  

最も多い変更登記手続き
会社役員とは、言うまでもなく代表取締役、取締役、監査役を指します。
(尚、会計参与は、対外的には社外取締役と同様の扱いとなる会社機関で、株主代表訴訟の当事者能力を有します。)
役員の任期制が適用される株式会社の場合、非公開会社(株式譲渡制限会社)であれば、定款で定めれば役員の任期を最長で10年まで延長することが出来ますが、役員変更登記が最も多い登記手続きであることに変わりはありません。
有限会社の場合は、監査役の設置は任意ですし、代表取締役を置く義務もありません。 また、通常は定款で取締役の任期を定めませんので、任期満了による退任又は重任などの役員変更登記手続きを行なう必要もありません。
これは、会社法施行により特例有限会社になった後も同様ですが、特例有限会社は取締役会を設置することは出来ません。
定款で全ての株式の譲渡制限を定めている株式会社であっても、取締役会を設置している場合は、従来通り(会社法施行前と同様に)取締役3名以上且つ監査役(又は会計参与)1名以上を置かなければなりません。
また、定款に役員の任期の定めが無い場合は、従来通り原則の2年任期制が適用されます。

役員変更登記手続きをする為には、その変更内容によって、総会議事録(又は同意書)、取締役会議事録、就任承諾書などの書類の作成が必要になります。
役員変更登記の手続きは、本店所在地と支店所在地の両方で行なう必要があり、本店所在地においてはその役員の就任承諾日から2週間以内、支店所在地においては3週間以内です。
また、この場合、登録免許税の納付が必要で、資本金1億円以下の会社の場合は、本店所在地での手続きは1万円、支店所在地での手続きは6千円です。
上記の期間内に登記手続きを怠った場合は、100万円以下の過料に処される場合が有ります。
尚、過料とは秩序罰であり刑罰ではありません。



役員変更に関する注意点
(1)役員変更手続きが必要な場合
役員変更手続きは、役員の就任・重任・退任だけでなく、役員の氏名に変更があった場合、又は登記している役員(代表取締役)の住所に変更があった場合も必要です。
尚、常勤役員が非常勤役員(顧問又は相談役)となり、その報酬額が50%以上減額された場合は、原則として役員退任の扱いになります。

(2)定款で定めた役員の員数を欠く場合
役員が辞任又は任期満了によって退任した場合において、定款で定めた役員の員数を欠く場合、又は法律で規定された役員の最低員数を欠く場合は、その後任者が選任され就任承諾する迄は、前任者が役員としての権利義務を継続して有する為、前任者の退任登記と後任者の就任登記を同時に行なう必要があります。
(通常は、取締役会を設置する株式会社でない限り、定款で「当会社は取締役を1名以上置く」と定めますので、取締役が0名にならない限り、このような問題は起きません。)

(3)代表取締役の抹消登記が必要な場合
取締役が2名の特例有限会社において、そのうちの1名を代表取締役にしている場合、代表権の無い取締役が退任した場合は、同時に代表取締役の抹消登記をしなければなりません。
これは、取締役が1名しかいないのに、その者を敢えて代表取締役とすることは認められないからです。
(尚、取締役が1名の株式会社の場合は、その取締役を代表取締役として登記しなければなりません。)

(4)会社が解散した場合
会社が解散した場合、取締役は退任となりますが、監査役は退任とはなりません。 
また、解散の事由が破産以外である場合は、取締役の退任登記は不要です。

(5)役員変更の決定と法的効果発生時期
役員変更は、総会の普通決議で行なうことが出来ます。
但し、会社と役員の関係は委任契約関係ですので、選任された役員本人が役員就任を承諾しないと役員変更の法的効力は発生しません。
ですので、就任承諾書が必要になる訳ですが、総会議事録に「役員に選任された者が就任を承諾した」という旨の記載が有り、その就任承諾者の署名又は押印が有れば、就任承諾書を省略(総会議事録で就任承諾を援用)することが出来ます。

(6)代表取締役の就任又は重任
代表取締役の就任・重任については、少し手続き要件が厳格です。
まず、取締役会議事録が必要で、原則として出席した取締役全員の実印の押印とその印鑑証明書の添付が必要です。
但し、重任の場合において、従前の代表取締役が取締役会に出席し、その議事録に法務局届出印を押印した場合は、他の取締役の印鑑証明書は添付不要になります。
また、代表取締役が交替した場合、従前の代表取締役が使用していた印鑑を新任の代表取締役が継続して使用する場合であっても、再度、印鑑届出書を提出する必要があります。

(7)監査役の兼任禁止
一般に資本金1億円以下且つ負債総額200億円未満の監査役は会計監査のみを行ないますが、監査役には次に掲げる2つの兼任禁止規定がありますので注意して下さい。
同一の会社内で取締役、支配人、その他の使用人(従業員)との兼任禁止
過半数の株式を有する子会社の取締役、支配人、使用人との兼任禁止

(8)役員の員数を減らす場合、又は役員の任期を10年に延長する場合
従来の商法の規定により、株式会社では、親族を形式的に取締役にしているケース、又は一般の従業員を雇用保険法上の使用人兼務役員(=取締役の身分を併せ持った従業員)にしているケースが多々有ります。
ですが現在は、定款で株式譲渡制限を定め、且つ取締役会を設置しない株式会社の場合は、取締役を1名置けば良いことになり、その任期も最長で10年迄延長出来ます。
これらの変更を行なう為には、定款変更の手続き、及び必要に応じた取締役の退任登記の手続きを行なう必要が有ります。
尚、役員の任期満了などを証明する為に定款を添付する場合、会社で保存している定款の書面をコピーして、各ページに割印及び奥書をすれば足ります。





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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所