介護ビジネス支援サイトのTOPページへ

       介護事業者が行なう介護輸送の取扱い

有償の乗降介助・送迎サービスは国土交通大臣の許可が必要
従来、介護輸送に対する取扱いについては、国土交通省と厚生労働省で見解が異なっており、道路運送法に基づく許可を受けずに有償の介護輸送行為を行なうことが黙認されていましたが、平成16年3月に、「利用者から何らかの金銭を受領して行なう介護輸送は、全て有償の運送行為に該当する(道路運送法に基づく許可が必要)」という法的取扱い(行政方針)が両省連名で公示されました。
これにより、平成18年4月以降は、介護タクシー事業の許可を受けずに、自社又はホームヘルパー等の自動車を使って要介護者・要支援者の輸送を行なった介護事業者に対しては、同乗且つ乗降介助サービスを行なっても介護報酬の対象外とすることになりました。
よって、介護サービス事業者が有償の介護輸送を行なう場合は、道路運送法に基づく国土交通大臣の許可を受けなければなりません



訪問介護事業者等の介護輸送の取扱い
有償の介護輸送を行なう訪問介護事業者は、後述する非営利法人を除き、次の(A)又は(B)のいずれかの許可を受ける必要が有ります。
(A)道路運送法に基づく一般乗用旅客自動車運送事業の許可
(B)道路運送法に基づく特定旅客自動車運送事業の許可
要するに、介護事業者の車両で有償の介護輸送を行なう為には、第二種自動車運転免許が必要で、緑ナンバー車両でなければならない、ということです。

上記の(B)は、以下の条件を満たす必要が有ります。
会員制などにより利用者が特定されていること。
要介護者等に対する「医療施設又は介護保険施設」と「居宅」の間の送迎であること。
原則として複数の施設への送迎は認められません。

但し、介護サービスを本業とする介護事業者に対して、通常の一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー事業)の許可基準をそのまま適用することは、許可を取得出来ない事業者を多数生み出すことに繋がり、その結果として要介護者等の利便を著しく阻害することになりかねない為、「患者等輸送サービス限定の許可基準」が別途定められました。
それにより、以下のように許可基準が緩和されています。

(1)一般のタクシー事業は、営業区域(交通圏)単位で許可を受けることになりますが、患者等輸送サービス限定の場合は都道府県単位で許可が受けられます。
(2)車両数は最低1両で良い(一般のタクシー事業は営業区域によって最低5両又は10両が必要)。
(3)介護輸送運賃の認可申請に対して原価計算書を提出する必要が有りません。
  (介護輸送以外の運賃についても弾力的な運賃設定が認められます。)
(4)従来の福祉輸送は寝台車やリフト付き車などの福祉車両に限定されていましたが、訪問介護員又はケア輸送サービス研修受講者が乗務する条件で、セダン型車両まで使用車両の対象が拡大されました。

専従役員の法令試験が省略されている地方運輸局も有るようですが、中部運輸局の場合は、許可申請が受理された後で、専従役員のうち最低1名は中部運輸局が実施する法令試験に合格することが必要です。
(法令試験は、試験時間45分、出題数30問、正解率8割以上で合格となるようですが、法令集等の持込が認められていますし、1回目の受験で不合格になっても再試験が有りますので、学校の入学試験よりはかなりハードルが低いです。)



【ホームヘルパーの持込自動車などを使用して有償の介護輸送を行なう場合】
上記の一般乗用旅客自動車運送事業の許可とは別に、道路運送法第78条に基づく自家用自動車有償運送の許可を受ける必要が有ります。
この許可申請手続きは、そのホームヘルパーと契約する介護事業者が行なうことになりますが、申請出来る車両数に制限は有りません。
許可を受けた場合、ホームヘルパー持込(又はホームヘルパーに車両使用権原付与)による自家用自動車(白ナンバー車両)で有償の介護輸送を行なうことが出来ます。 
また、一定の条件を満たすホームヘルパーは第二種自動車運転免許が不要です。
但し、注意すべき点は、「一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けた介護事業者」と契約しているホームヘルパーでなければならないということと、利用者に対して事前に自家用自動車有償運送である旨を通知する義務が有る、ということです。
この許可基準も、以下のように許可基準が緩和されています。
(1)許可に当たり、地域協議会による協議が不要です。
(2)2年間無事故且つ免停処分無しの者であれば第一種自動車運転免許でOKです。
(3)ホームヘルパーが乗務する為、セダン型車両の使用が認められています。



【通所介護(デイサービス)事業者などが行なう施設送迎】
原則として「自家輸送」の取扱いとなります。
但し、要介護者等の輸送の安全を確保する為、患者等輸送サービス限定の一般乗用旅客自動車運送事業者か、又は特定旅客自動車運送事業者に外部委託することを促進する、というのが行政方針です。
当然ながら、この委託を受ける旅客自動車運送事業者が介護事業者である必要は有りません。



非営利法人(NPO、社会福祉法人等)に対する特例措置
NPOなどの非営利法人による福祉移送サービスは、以前は構造改革特区における限定的な許可にとどまっていましたが、現在は道路運送法に基づく「福祉有償運送又は過疎地有償運送の許可」を受ければ、全国どこでも白ナンバー車両で福祉移送サービスを行なうことが出来ます。
但し、この福祉有償運送又は過疎地有償運送は、元々「公共の福祉を確保する為に国土交通大臣が特別に許可した場合に限り行なうことが出来る例外的措置」である為、地方自治体による地域協議会の協議を経ていることが許可要件の一つになっています。
(勿論、NPOなどの非営利法人が、一般乗用(又は特定)旅客自動車運送事業の許可を受けて福祉移送サービスを行なうことは何ら問題有りません。)

道路運送法に基づく福祉有償運送又は過疎地有償運送の主な許可基準は以下の通りです。
(1)運送事業を行なう主体がNPO、社会福祉法人などの非営利法人であること。
(2)地方自治体が既存のタクシー事業者だけでは充分な福祉移送サービスが提供出来ないとして地域協議会を開催し、その協議を経ていること。
(3)使用車両は原則として福祉車両又は介護仕様車両に限定。 但し、構造改革特区の場合に限りセダン車両の使用が認められます。
(4)運転者は第二種自動車運転免許取得者が原則ですが、2年間無事故且つ免停処分無しのケア輸送サービス研修受講者であれば第一種自動車運転免許でもOKです。





                        BACK





愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所